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「一瀬?」
それに気付いた清孝が声を出すと、クラスメイトもそれに反応する。
「……パトカー……」
「え?」
「パトカーだ…!警察だ!警察が来たんだ!!」
一瀬の叫びに全員が立ち上がり、窓際へと走ってくる。
見るとそこには何台ものパトカーがサイレンを鳴らし、代詠学園に向かってきていた。
恐らく、二度も爆発があった事を不審に思った近所の人が連絡したのだろう。
そしてその場に居た全員が安堵した。
これで、助かるのだと───。
同じく、廊下から犯人グループもその光景を見ており一人がおもむろに通信機器を取り出した。
「リーダー。警察が来たぜ」
「そうか…。なら予定通りいくぞ」
何を話しているのか聞こえない教師たちは不安な顔でしばらく二人のやり取りをみていると、やがて男は向けていた銃を天井に向ける。
「あんたらにとって良いニュースだ。どうやら警察が来たようだ」
男がそう言葉を放つと、その言葉に全員が喜んだり安心する表情を浮かべる───が、そんな様子を見て男は天井向け銃を放った。
「ひっ!?」
「きゃあぁっ!!」
そして、その音に再び静まり返ると男は言葉を続ける。
「……が、安心するのはまだ早い。お前らは今からそれぞれがクラスに行き、生徒全員を連れて体育館に集まるんだ」
「い、一体どう言う…」
吉田が疑問の声を上げようとしたが、銃口を向けられたが為に言葉は途中で終わった。
「余計な詮索はしないで大人しくしてもらおうか?まだ……死にたくはないだろ?」
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