日常が崩れる時

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  教室内がざわめくいつもの風景の中、窓際の席に座りながら『丸山 一瀬(まるやま ひとせ)』は暇潰しに携帯を弄っていた。 「おーっす一瀬!朝から携帯なんか弄って暗いなぁ!」 そう言って一瀬の前に座ったのは『近藤 浩(こんどう ひろし)』と言い、一瀬とは中学からの付き合いだ。 「どんな理屈だ。っつーか携帯で暗いなら清孝なんてどうなんだよ」 そう言ってチラリと一瀬が視線を移せば、その先にいたのは机の上に明らかに学校に持って来るには不適切な物、ノートパソコンを開いている『鈴木 清孝(すずき きよたか)』だった。 生徒会長を務めている清孝は良く学校にノートパソコンを持ち込んでおり、暇な時はパソコンと向かい合っている姿が良く見られていた。 「俺はいいんだよ。黙認されてるからな」 「はぁ…清孝はパソコン。一瀬はエロサイト見てるし暇だなー」 「なんでエロサイトなんか見んだよ!?ニュースだよニュース!!」 浩の言葉に一瀬が抗議の声を上げると浩は逆に怪訝そうな声を上げた。 「にゅぅ~す~!?お前そっちの方がないだろー!」 「なんか気になるのでもあったか?」 浩の叫びを無視して訪ねると、一瀬は画面を下にスクロールさせていく。 「う~ん特には……あ、そういえば自衛隊の武器庫から大量に盗まれたっつーニュースはあったなぁ」 「うっわ…自衛隊も何してんだか…」 「しかも今でも犯人捕まってないってよ。世の中物騒だなぁ…」 そんな事を話しているとドアが開く音する。 ふと視線を上に向けると、そこに居たのは一瀬たちの担任、『吉田 信彦(よしだ のぶひこ)』だった。 「ほらお前ら席つけー。出席取るぞー」 その言葉に移動していた生徒は自分の席へと戻り、清孝が号令をかけ皆が席に座ると吉田は出席の有無を取り始めた。  
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