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『どうだ、準備は出来たか?』
「えぇ。いつでも大丈夫です」
帽子を被った男がそう言うと、通信機器の向こうから良し。という小さな声が聞こえる。
『それじゃあ……やってくれ』
その言葉を合図に、帽子を被った男は手に持っていた丁度手のひらサイズの機械についている赤いボタンを押す。
すると一つの教室に響く大きな爆発音。
そして、それと同時にガラスの割れる音が響き割れた窓からは黒い煙が立ち上っていた。
「な……なんだ今の!?」
「何か大きな音がしたわよ!?」
突如聞こえた花火が打ち上げられた様な爆発音に一瞬で教室内は大騒ぎになる。
授業中だというのにもかかわらず殆んどの教室の生徒が窓際へと集まり、音の正体を確かめようとそれぞれが辺りを見回した。
「なんだ?火事か?」
「あそこ視聴覚室じゃねぇ?あんな所から火ぃ出るかよ」
「こら!お前ら席に着け!私は職員室に戻るがお前ら教室から出るんじゃないぞ!?」
そう言って教師は教室から出ていくが騒ぎは一向に収まらず、中には爆発が起きた視聴覚室を一目見ようと教室から出ていく何名かも居た。
「うっわー…!なぁなぁ一瀬、これ学校休みなるかな!?」
浩は一瀬の隣に立ちながら爆発した教室を見ると大騒ぎをし、その光景を見て一瀬は小さく溜め息を吐いた。
「そういう問題か…?」
「本当に…浩は能天気でいいな」
「……そこでパソコン弄ってる人に言われたくないんだけど…」
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