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『母さん、おはよ!あれ?母さんロイは?』
いつもなら、私のところへ真っ先に来るロイの姿がなかった。
『ロイなら、今、麗くんが散歩に連れてってくれてるわよ。
ヒカル、今日は変よ。顔色もよくないみたいだし、大丈夫なの?』
心配そうな顔で私を見た。
『平気!何でもないから、気にしないで…大丈夫』
そういって、席に着いた。
『ただいま!ロイの散歩行ってきました。
おっ!ヒカル、おはよう!』
元気な声で、おはようの挨拶をして、笑顔を見せてくれた。
『ありがとう。麗くん!あなたも朝ごはん食べていきなさい。この子も今から朝ごはんだから…』
私の前に、麗が座り母さんが麗の分の朝ごはんを用意し、一緒に食べた。
寝ていなかったせいか、あまり食欲がなかった私は、味噌汁を少し口にしただけであとは、手をつけずに席をたった。
『おい!ヒカル、もう食べないのか?具合でも悪いのか?』
麗が心配そうに私を見た。
『大丈夫。食べたくないだけ、昨日あまり寝てなくてさ、食欲ないだけたから…』
ソファに座り麗が食べ終わるまでロイをなで、ぼう~っとしながら、外を見ていた。
『ごちそうさま!よし、ヒカル行くぞ。ロイまたな!』
ロイの頭をなで、私の手を引き母さんに挨拶をして、外へでた。
外は、晴れていたがとても寒く、白い息がでていた。
『やっぱ、外は寒いな。ヒカル、手貸して…
こうすると暖かいぞ』
私の左手を握りポケットの中へ入れ、笑い掛けた。
暖かくて大きな手で私の手を優しく握りしめてくれた。
少し歩きずらかったが、嬉しかった。
『おはよう!ヒカル、ついでに麗!今日は、いつもより寒いな』
後ろから、海の声がして、振り向くと、笑顔で手を振りこっちに、向かってきた。
『おはよ。海、今日は寒いな』
『おい!海!なんだよ。ついでって、お前なぁ。ったくよ。』
なにもなかったかのように、いつもの感じで挨拶を交わし、二人は、じゃれあっていた。
『あっ!麗ずるいぞ。何ヒカルと手を繋いでるんだ!じゃ、俺もヒカルと…』
右側に来て、私の肩に手をやり、肩を抱きながら、歩いた。
それを見て、麗は、私の腰に手を回し自分の方に引き寄せた。
『ちょっ…ちょっと待って、二人とも、すごい歩きずらいんだけど…』
私は、二人を引き離し、乱れた服装を整え、二人の前に立ち、二人の間に立ち、二人の腕をつかんだ。
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