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私は、佐々木くんと屋上に上がり、手紙について聞くことにした。
『あの、手紙って何?』
回りくどいことが嫌いだった私は、遠回しで言うこともなく、直で言った。
すると、佐々木くんは、少し顔を赤らめ重い口を開いた…。
『手紙に…手紙にあった通りだ。ずっと…好きだった。
君は、覚えてないと思うけど、俺がケガして、保健室にいたとき、手当てしてくれた…。
その時から、なんとなく気になりはじめて、ずっと見てた。
そして、気付いたら好きになってた』
そういって、顔をそらした。
私は、戸惑いどうしていいか分からなくなった。
『ご…ごめん。好きなやついるんだ。大切なやつがいるんだ。』
佐々木くんは、悲しい顔で微笑んで『ありがとう』と言った。
私は、麗達がいる場所へ向かった。
私は、急に苦しくなって、麗に抱きつき、涙を流した。
麗や海が心配そうな顔で私に話かけてきたが、私には、聞こえなかった。ただ、涙が流れ落ちた。
『おぃ、ヒカル大丈夫か?あいつに何かされたのか?なぁ?』
私は、小さな声で…答えた…。
『す…だって…言われ…た…。』
『えっ!なんて?聞こえなかった。もう一回言って!』
落ち着いた私は、深呼吸をし二人に話した。
『だから、告白された。ずっと、好きだったって、言われた…』
二人は、顔を見合わせ、驚いた顔をしていた。
『マジ!あいつもお前のこと、好きだったんだ…』
麗は、怖い顔をして背を向けた。何か考えているようにも思えた。
『麗?どうしたの?何か考え事?海~、麗がいきなり怖い顔してるんだけど…どうしたんだろ?』
海が薄笑いをし、私の肩を軽く叩き、『帰るぞ!』と言った。
すると、麗は、はっと何かひらめいたかのように、表情が穏やかになり、たが、どことなく寂しげに私には、見えた。
帰りぎわ、文化祭の話で盛り上がった。
『なぁ、ブラバン連中がライブやるんだってさ。いいよな~俺も混ぜてもらおうかな』
『無理だって、お前じゃぁ。不器用なお前に、できんのかよ』
そんなこんなで、文化祭の話をしながら、歩いていた。
『悪い!今日俺こっちだから…。じゃまた、明日な』
海がいきなり、いつも通る別れ道に差し掛かった時、そういい、走り去っていった。
私と麗は、軽く返事をし、二人で歩き始めた。
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