僕らのすれ違い

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「カツヤ君はちゃんと働いているのかい?」 「はい。派遣の仕事を色々しているみたいです。」 「そうか…。 生活費と言っても、男二人分は大変だろう。 余裕ができるまで、生活費も毎月出してやろう。 アラタ君。月に1回はここに来なさい。 その時に1ヶ月分の生活費を渡してあげるから。 生活費だけじゃなくても、お金が必要な時はいつでも来なさい。 暇な時でも、遊びに来るだけでも良い。 ここは私1人で住んでいるから。 気がねなくいつでもいらっしゃい。」 虎次郎はそう言うと、男二人分の生活費をアラタに渡した。 アラタの父に似ているためか、虎次郎はアラタのことを気に入っている様だった。 「ありがとうございます。」 アラタも不信感がとれたのか、初めて虎次郎に笑顔を向けた。
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