僕らのすれ違い

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「あれっ!この前まで『僕』なんて言ってたのにっ。お前だなんてひどいっ!」 ノブヒコはわざとらしく泣き真似をしてアラタをからかった。 「この野郎!!///」 恥ずかしさで余計口が悪くなるアラタ。 「ねぇねぇ斎藤君てどうしてこんな時期に転校して来たの?」 クラスの男子達がアラタを囲んで聞いてきた。 「それは…「家の事情らしいよっ。 仕事の関係で引っ越して来たんだよなっアラタっ。」 アラタが戸惑っていると、ノブヒコがすかさず誤魔化した。 「そっかぁ。分かるよっ。俺も転勤族だったからっ。」 「転勤族は大変だよな。」 便乗してくるクラスの男子達。 「だよな~。あ!そろそろ金井先生来るよ!! みんな席に戻んな~。」 ノブヒコはクラスの男子達を急かした。 それを聞いて焦る男子達は、ぞろぞろと自分達の席に戻っていった。 (助かった…。) アラタは内心ホッとしていた。 元々人見知りな上、転校した理由なんて言うに言えないアラタ。 ノブヒコの切り返しには正直感謝していた。
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