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『分かりました。』
渋々カツヤは承諾した。
『あっ、ちなみにアラタ君が寮に入ったら、君も家を出てってもらうからね。』
『えっ!?』
衝撃だった。
『当然だろ?君は居候のようなものだからね。
もう十分大人なんだから。
自立しなさい。』
『そんなっ…。
それじゃアラタは…。』
『アラタ君は私の会社を継いでもらうつもりだ。
大学に通う場合は私の家に住ませる。
彼は賢いからな。きっと良い経営者になるだろう。
なのでな、今はいいが寮に入ったら君はアラタ君と関わらないで欲しい。
援助金をたっぷり渡してやるから。
分かったかい?』
満面の笑みで聞いてくる虎次郎。
彼はどの親族よりも冷たい鬼の心を持っていた。
放心状態のカツヤ。
(まんまとハメられた!
こうなることを予想してここに引っ越させたんだ!!)
『…分かりました…。』
カツヤはそれしか言えなかった。
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