19人が本棚に入れています
本棚に追加
―今日も虎次郎さんとこ行ってお金貰わなきゃ。
最近貰いすぎて行きにくい…。
でも兄貴キレるとめっちゃ殴ってくるし…怖ぇょ…。
家帰りたくないな…―
アラタは制服のまま夜の町をさ迷っていた。
取り敢えずコンビニに入るアラタ。
朝から水しか飲んでない。
立つのもしんどくなり、少しコンビニ内をふらふらしたら、コンビニの駐車場に座り込んでしまった。
(帰りたくない…。)
悩むアラタ。
すると上から誰かに声をかけられた。
「君何年生?
こんな夜に何してるの?」
ハルカだった。
あまりにもアラタの顔色が悪かったため、取り敢えず事務室に入れて飲み物と弁当を差し出すハルカ。
アラタは無言で弁当をがっついた。
「相当お腹減ってたのね…。あなた名前は?
お家は近くなの?ご両親の連絡先教えてくれる?」
(連絡先…。)
アラタは悩んだ。
今の保護者は兄カツヤ。
しかしカツヤはどうせ来ないだろう。
虎次郎の連絡先も知っているが、虎次郎を呼んだら自分がほとんどお金を使わせて貰っていないのがバレる。
そしたらカツヤの薬もバレてしまう。
アラタにとって今のカツヤは嫌いだが、カツヤと離ればなれになるのはもっと嫌だった。
.
最初のコメントを投稿しよう!