19人が本棚に入れています
本棚に追加
重い沈黙の中、虎次郎がやっと口を開いた。
「…わかった。
じゃあ、私が経営しているアパートがあるから、そこに二人で住みなさい。
家賃や光熱費はいらないからね。
その代わりアラタ君は、アパートの近くにある私立の中学校に転校しなさい。
君が通っている中学校はアパートからかなり離れているんでね。
その中学校の学費も、すべて私が払ってあげるよ。
その分二人の生活費は、カツヤ君頼むよ。」
虎次郎はじっとカツヤを見つめる。
「…全部僕がどうにかするんで、ほっといて下さい。」
目をそらして意固地になるカツヤ。
「今からアパート探すのは大変だろう。
それに君はまだ未成年だ。
カツヤ君が成人になって、尚且つ金銭的にも余裕が出来たら探しなさい。」
ニコッと微笑む虎次郎。
「…わかりました…。」
渋々カツヤは承諾した。
最初のコメントを投稿しよう!