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「…あっ!俺じぃちゃんとこ行かなきゃ!!じゃなっ。」
アラタはそう言うとすたこら逃げた。
「あれっ。逃げられた。
まいっか♪」
小さくなって行くアラタを見て、ノブヒコも自分の家へと帰った。
「ふぅ、危なかった…。
あんなのといたらいつ犯されるかわかんなぃぞ…。
…とりあえずお祖父さん家行くか。」
アラタは祖父虎次郎の家へと足を運んだ。
虎次郎から、学校が終わったら家に来るように言われていたのだ。
何分か歩くと大きな屋敷に着いた。
この豪邸を見ると、やはりアラタの父は金持ちの息子だったんだな、とアラタ自身も思わずにはいられなかった。
恐る恐るインターホンを押すアラタ。
「…あのうるさい親戚の人たちもいるのかな…。
憂鬱だ…。」
自分の両親の葬式で、親戚一同にあんな態度をとられたら誰だって憂鬱になるものである。
『アラタ君かい?入んなさい。』
インターホンから虎次郎の声がすると、大きな扉が自動的に開いていった。
「広いっ…!!」
唖然とするアラタ。
扉の向こうには、外からじゃ想像できないような豪邸がそこにあった。
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