Hors d'oeuvres 01

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初めて彼女と出逢ったとき。 彼女はとても痩せていて、可憐で美しかった。 「大丈夫?」 初めて彼と出逢ったとき。 彼は少しぷっくりしていて、その手はとても美味しそうだった。 「平気」 そう言った彼女は今にも折れそうなほど細くて華奢で、さっきから数歩あるいては、ぺたりと地面に座りこむ。 そんな姿を見せられていてはとても平気そうには思えない。自然手を貸したくなる。 花畑で座り込んでしまった彼女に僕はそっと手を伸ばした。 「ありがとう」 彼女が僕の手をとって微笑んだ。冷やりとする手の感覚。彼女の微笑みがひどく美しくて。 僕は彼女の手の冷たさなんかきにならなかったんだ。 僕は彼女を支えるようにして一歩ずつ踏みしめるように歩いた。 さらり、と落ちてくる髪の毛を手で避ける動作に思わずドキリとする。彼女の動き、一挙一動全てが流美で綺麗だった。 赤い唇、長い睫に。憂いを帯びた目。スラッとのびた鼻立ち。端整に造られた人形のよう。 ふいに彼女が見上げて目があった。 ―ッ! その瞬間僕の鼓動は跳ね上がった。 ドキンドキンと早鐘のように鼓動が高鳴る。 彼女の瞳に表情に惹き込まれる。 僕は彼女に恋をした。
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