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「だから、報告は明日でいいって」
「じゃぁ、セイク兄さんもウルフ姉さんも、家に帰ろう」
レインが甘えるように言った。
「夜更かしは良くないし、帰って休みましょう」
同意したウィニフレッドの腕に、レインはすり寄った。そして教会を後にしようと踵を返した。
セイクリードもゆっくりとそのあとを追う。教会の近くのアパートにそれぞれ住んでいるため、行く方向が同じなのだ。
「そうだ、ゼオン」
思い出したようにセイクリードは振り返った。
一応、挨拶をしていかなければ、と思った。
「おやすみ」
「もう、帰るのか? 寂しいじゃん」
「おれは寂しくない」
帰る方向が違うゼオンにセイクリードは素っ気なく応えた。
「えー。じゃぁ、オレがセイクの家に行って、夜食作ってやるよ」
「夜食って…。ゼオン、保存食でしか料理できないだろ」
「そうだけど…」
「もぅ、寝るから。おやすみ」
口ごもっていたゼオンから逃げるように、セイクリードは教会を後にした。
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