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「そうですね。レインにはちゃんと学校に行ってもらいましょう」
「やった」
小さく喜んだレインを見て、フランツ司祭は微笑んだ。
「じゃぁ、今回の依頼はあたしの捜索力メインで、セイクが護衛って感じかな?」
「派遣期間はどのくらい?」
「おい! オレを忘れるなよ」
話を進めていくウィニフレッドとセイクリードを、ゼオンは止めた。
しかし、
「ゼオン…。今回はそんなに戦力は必要ないと思う」
セイクリードの言葉でゼオンは沈んだ。
「いえ、ゼオンにも行ってもらいますよ」
「司祭(ファーザー)フランツ…」
「彼は、傭兵や冒険者として生活していたらしいですからね。旅慣れてない貴方たちをサポートしてもらいます」
助け舟とも取れるフランツ司祭の言葉で、ゼオンは浮かび上がった。
しかし、セイクリードは無言で難しい顔をした。
それを見て、フランツ司祭はセイクリードに優しく話しかける。
「警戒心の強い貴方が、まだあまり親しくない人と旅をするのは、大変かもしれません」
「………」
「だけど、あの日、重傷を負っていたゼオンを拾って助けてあげたのは、貴方です。もう少し、構ってあげなさい」
「…わかりました」
セイクリードは難しい顔をやめて頷いた。
「どうもこの教会は、オレの扱いがペットみたいでならねぇ」
二人の会話を聞いていたゼオンは、ひとりごちた。
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