白の章

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「今日もよかったよ」 部屋から出る時 軽くキスを交わしながら 充が囁く。 充なりの気づかいの態度は律儀に毎回守られている。 たぶん この儀式めいた一瞬があるから 充と会い続けているのだと文恵は思う。 ホテルは別々に出る。密会… その言葉がぴったり当てはまる 秋の夕暮れ 文恵は主婦の顔に戻っていく。
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