都市伝説

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  ”黄泉への郵便”って言うんだけどね この町には昔 小さな郵便局があったんだって 今は取り壊されてもうないけど そこには真面目な配達のおじさんがいて 毎日休む事なく配達をしていたんだって おじさんはね 「私が届けてるのは手紙じゃない  人の心を届けてるんだ  配達は私の使命で生き甲斐だ」って それが口癖だったみたい ある日ね 配達に向かう途中に 交通事故にあって 両足を切断してしまったの それで配達が出来なくなってしまったんだって その後 おじさんは病気で 死んじゃったことになってるけど 実は自殺したらしいの 「この世では配達出来ないから  あの世で配達をするよ」って 遺書に遺してね それから暫くして 恋人を亡くした女性が おじさんのお墓に行ってね 手紙を届けて下さいってお願いしたの そのままじゃ駄目だから 火を点けて燃やしたんだって それからすぐにね 夢に彼が出て来たらしいの 手紙ありがとうってね 「わあーあー もう止めて!」 「なによ 三咲 いい話じゃない」 「もう 耳塞いでても聞こえるんだからねー  今日寝れなくなっちゃうじゃん」 「三咲はホント 怖がりだね」 「優子のバカ」 二人はいつもこんな感じだった 
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