都市伝説

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  「ただいま」 「おかえりあなた 遅かったわね」 遅く帰ってきたのは 父親の孝雄(たかお) 「ああ ホントまいったよ  今度入った新人が大きなミスしてさ  社員総出で尻拭いだよ」 「大変だったみたいね」 「ああ ホント大変だったよ  それで注意するとな  二言目には”辞めます”だろ  お前が辞めて済む問題じゃないっつうの」 「そうね それであなたご飯は?」 「帰りに少し飲みながら食べてきたよ  でも小腹が空いたな  お茶漬けか何か出してくれ」 「はいはい」 孝雄は出されたお茶漬けを啜りながら 「三咲は?」 「もう寝たわ」 「そうか あとで覗きにいくかな」 「起こさないでよ  今日寝かすの大変だったんだから」 「どうしたんだ?」 「なんかね  友達に怖い話を聞かされたらしいの  今流行ってるじゃない  ほらあの 都市伝説とかって」 「ああ あれか 俺も聞いたぞ  この町にもあるんだってな」 「あなたまで変なこと言わないでよ  あんなの誰かの作り話なんだから」 「そうとも限らないぞ  これだけ広まってるんだ  何が真実かわからんよ」 「そんなことより あなたからも言ってよね  あの子 約束のお風呂掃除  全然やらないんだから」 「そうなのか まあまだ子供だからな・・」 「あなたがそんなだから  あの子はわがままになるのよ」 「ああ 疲れた疲れた  俺は風呂にでも入ろうかな~」 そう言って逃げるように 風呂へと入りにいった  
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