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本日は晴天也、な清々しい空の下。ぶすくれて吐き捨てるように、黒服の友人はいい加減にしろよと口にした。
しかし、僕も譲るわけにはいかない。僕は緩やかに首を横に振った。
毎日この瞬間を楽しみに生きている僕にとって、これが使命であり、生きがいだから。
視界の端、電柱に体を預けた黒服の友人が僕を睨みつけるように言い放った。
「いい加減にしろよ、そろそろやめたほうがいいぞ?それは嫌われる要因になり得る」
それはごもっともなご意見だ。今後の参考にさせてもらうことにしよう。
しかし今、この場においては関係ない。
だから僕はほざけ、とあざ笑ってやる。そうすれば友人―――夜空はムッとした空気を体中から遠慮なく醸し出した。
そんな夜空をふん、鼻で笑い、と茶色いコートのポケットから手を出して僕は口を弧に描く。
まだまだ僕の方が有利なのだ、彼に負けるわけがない。
父性愛だかなんだか知らないが、僕の方が一緒に居る時間は長いのだ。
僕は澄んだ寒空の下、顔を上に向けた。
ほら、早く帰っておいで?
僕は―――春野 調はいつでも君を待っているよ?
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