第一幕 来たれ、 新人狩人!

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  目的地に到着し、竜車から必要な資材を降ろす。   早速ガウェインがキャンプ設営を始める。   ガウェインは素早く屋根を敷き、杭を打ち込み、支柱を立てて行く。 ランスロットはただボーッとしているのではなく、一連の動きをじっと観察している。   「これからあたしがやる動きをよーく見て覚えな。次に来た時には設営も一人でやってもらうからね」 この場所に付いてすぐにそう言われていたので、現在それを実践している訳だ。   「っし。出来た」 最後に出入り口を開いて設営が完了する。 竜車は既に村まで戻っているが、中にあった物、青い箱と赤い箱が置かれている。   「さて、この青い箱に支給品、応急薬やら携帯食料、砥石なんかが入ってる。赤い箱は精算して金になる物を入れる」 ガウェインはそう説明しながら青い箱の中に入っている物を出して行く。 緑色の液体が入った瓶、紙に包まれた四角い物、小さな長方形の石、丸められた細長い紙と、次々に箱に収められた物を出すガウェイン。   「まず、これが地図。広げてみ」 丸められた紙を指差しながらガウェインが言い、それに応じて取り出されたそれを開く。 紙は、確かに地図だった。大まかな地形の描かれたそれは、幾つかの、細い線で繋がった円が載っている。   「で、この緑色の瓶が応急薬。怪我した時に飲む。こっちの紙に包んであるのが携帯食料。腹が減ったら食べる。砥石は刃の切れ味が悪くなったら研ぐ。以上、説明終わり」  
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