第一幕 来たれ、 新人狩人!

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  そんなこんなで二人は今、竜車(草食竜アプトノスに引かせる車。)の中にいた。 あまり早くない速度で進む中、ランスロットは先程渡された獲物をじっくりと見る。   鉄鋼石で構築された長い筒、その先端に短い骨製の刃が取り付けられている。 そして筒の中心部分には回転式の弾倉がある。 これは街の工房が少し前に開発した武器、ガンランスだ。 槍の様に突き、銃の様に撃つ。既存の武器には存在しない戦い方を要求されるが、上手く使いこなせばその真価を発揮する物でもある。 槍だけでは無く、屈みながら構えればほぼ全身を覆うサイズの盾も同時に装備する。   それを眺めて、次は外の景色を見る。 緑の大地が流れ、遥か彼方に青い川が見える。 向かっている方を見ると、高い山が見える。   この地方にある高名な狩り場の一つ、森と丘だ。知識のあまり無いランスロットすら知っている程の場所だ。 そして、この地が有名なのにはもう一つ理由がある。 火竜、リオレウスが出没するからだ。 とはいえ、いつもいるという訳ではなく、例えば今、リオレウス森と丘にいない。 だからこそ安全に初心者である自分に基本を教える事が出来るのだろう。   ランスロットはそんな事を考えながら前にいるガウェインと同じ様に腰を落ち着けた。 そうして竜車は森と丘に向かってゆるりと進む。  
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