WAKE UP

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…さて、これで今日の昼休みの回想は終了だ。 何が言いたかったのか、だと? それは俺にも分かりかねる。 あくまでも、気分で言った事に過ぎないからな。 という事で舞台は、久藤と帰り道の途中で、コンビニに行った時に戻る。 試合の後で、喉の渇きを覚えていた俺達は、アイスを購入してコンビニの前の駐車場で食っていた。 「くぅ~!やっぱり、汗かいた後のアイスは旨いな!!」 直径20cm程の巨大な容器に入った、苺・チョコ・バニラ味からなる三色アイス(ボリュームの割に120円と安い事から、通称男アイスと言う)を豪快に食す久藤は、相変わらずの大声で俺に話しかける。 「…そうだな、そこだけはお前に同感する」 200円の少し高級なビター味のチョコバーを食いながら、俺はダルそうに返した。 それから約10分後、アイスを完食した俺達は、その場を動かず他愛もない会話をし始めた。 …ほとんどが、久藤の一方的な話に、俺が適当に返すといった物だったが…それが俺達の基本スタンスなのだ。 特に問題は無い。 …問題は、これより、もう少し先にあったのだから。 「…さてと、それじゃそろそろ帰りますか!」 俺は携帯を見た。現在の時刻は午後7時丁度を示している。 「…そうだな、帰るか」 久藤の提案に俺は納得し、別れの言葉を言おうとしたその時、久藤が奇妙な声を出して、俺の方を見てきた。 「…あ?」 どうやら久藤の目線の矛先は、俺ではなく、更に後ろにある様である。 「…どうした?」 疑問符を浮かべながら、俺は、後ろを振り返った。 「…え?」 俺は、久藤と同じく、呆気に取られた顔をしていたんだろう。 …しかし、それも無理は無いと言いたい。なぜなら― 「…………」 俺達と、同年代程度の見知らぬ女の子が、いつの間にか足音も立てずに、俺達の後ろに立っていたのだから。 俺はこの時、何か起こるんじゃないかって予感があった。 多分、久藤もそうだったんだろう。…そうだと願いたい。 だが、今なら確信を持って断言出来る。この女の子と出会った事が、全ての始まりだったと。 …なぜなら、現にこの後、これまでの日常や常識を覆す様な事が起きてしまったのだから。
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