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もし目の前に、撃っても、罪にならないピストルがあったら、貴方はどうするだろうか?
ifの話など、しても意味が無いというのは分かっているし、俺自身もあまり好きではないが、出来れば真剣に答えて欲しい。
おそらく大半が、『ムカつく奴を殺す』とか、『恐ろしくて、撃つ事が出来ない』という答えに終始するだろう。
…俺の場合はどうするかって?
そうだな…俺なら、多分、こう望むだろう。
『現状をどうにかしたい』と。
…いや、この答えは、俺なら、というより、この状況下なら、といった方が正しいだろうな。
賭けてもいい。もし、今現在、俺の様な状況になったら、百人中百人がそう答えるだろう。
…何故かって?よし、それなら今俺が置かれた状況、見ている光景を、出来るだけ解りやすい様に言語化してやろう。
それでパッとしない様なら…、貴方の想像力不足か、俺のボキャブラリー不足が原因さ。
「フハハハハ!!」
「グルアアアアア!!」
さて、俺の目がおかしくなってさえいなければ…、視界には今二人の【人間だったもの】が、写っている。
…ええい、急ぐな。人間だったという表現が、どういう意味なのかは、今から俺が一言で簡潔に表現してやる。
…しかし、俺はなんで此処まで冷静に、物事を見ていられるのだろうかね?
俺の脳が、現実を受け入れてないんだろうか?
おっと、話が逸れたな。
…例えるなら、そうだな。
先程高笑いをしていた見知らぬ男は【炎の魔神】。
獣の様に叫んでいる、俺の旧友は…その見た目通り【獣人】といった感じだろうか?
炎の魔神は、体中から炎を噴出していたし、獣人は、人間ではあり得ない様な、牙や爪が生えていた。
代名詞に疑念の余地はあるか?
んで俺は、何の変化も無し…、ちょっと待て、頭が痛くなって来たぞ。
「…くっ!!」
脳の奥からハンマーで叩かれた様な痛みが俺を襲い、俺はその場に膝をついた。
おいおい…今はそんな事をしている場合じゃないだろう…。
何とか立ち上がろうとした時…炎の魔神が俺に向かって火炎放射みたいなのを出して来やがった。
マジかよ…逃げたくても、体が言う事を聞かない。
ふと、俺の脳内に、今までの記憶が蘇る。…ああ、走馬灯ってこういう事か。
とりあえず、これが最期だ。俺が此処に至る経緯を話そう。
…まぁ、俺が生きている内に伝えられるかどうかは分からないので、そこは断っておくよ。
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