WAKE UP

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…結果から言おうか? まぁ、試合の展開など助っ人が語るには恐れ多い気がするし、俺自身も面倒なので、省略させてもらう。 うん、もう決めた。反対意見は残念だが聞かない。 28対64で大勝だった。 ちなみに、久藤が入れた点数は俺の記憶に間違いが無ければ、半分以上は入れていた。 …俺?俺はポジションが防御中心の役で、攻撃に回る事は無かったんだよ。 …まぁ、相手の攻撃チャンスをことごとく潰し、久藤にロングパスを何度も渡してやったが。 試合が終了し、適度な汗をかいた俺達は、さっさと家路に着くために制服に着替えた。 「…ナイスパスだったぜ」 「へいへい、どうも…」 俺に笑顔を見せつける久藤を、軽く流しながら、俺は通学鞄を手にとる。 そして、俺達二人は報酬を受け取る為に、依頼人の部員の元へと歩いた。 …どれだけハードな試合であろうとも、これだけは一度も欠かした事は無い。 俺達は感謝の言葉と共に、日本の偉人がプリントされた長方形の紙を数枚受け取る。 中学の頃は現物支給が多かったが、高校となると、真に報酬と呼ぶべき物を貰える様になり、俺達の懐は常に潤っている。 …しかし思うのだが、こういうのって、社会的にどう見られるのかね? 自由を売りにした私立だけあって、幸い一度も内申点に響く様な事は無いが、顧問や他の部員達も、よくこの状況を受け入れているもんだ。 報酬を受け取り、依頼人と再び少しの会話を交わした後、俺達は校舎を後にした。 「…なぁ、帰りにコンビニでも寄って行かねえか?」 「…別にいいぞ。丁度、小腹も空いてきた所だし」 久藤の誘いを了承した俺は、多少膨らんだ財布を片手に、此処から五分で着くコンビニに向かって歩き出した。 …今思えば、あの時誘いを断っていれば、俺はあんな目に逢う事は無かったと思う。 まぁ、やってから後悔する事は無駄だと重々承知しているが、これだけは後悔せざるを得なかった。…いや、させてくれ。 一週間前に買ったラスダン手前のゲームを、クリアしたいから早く帰る…と言っておけば良かった、と。
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