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「では私達は今回、親子とさせていただきますかな」
ミルコは髭を手でいじりながらトミーの方を向き、品のよい笑顔を見せる。
トミーも断る理由がないので、軽く頷いた。
ミルコは少し気取ってステッキを回し、まるで手品師が客に見せるように、わざとらしく胸の内ポケットからビー玉のような物を取り出し、トミーに渡した。
「これは?」
「この玉はソールリーダーといって、これを対象者の額に当てると魂を抜くことができます。まあ救済者が使うのはもっぱら対象者が死んだ後ですが………」
トミーはミルコの少し意味ありげな口調に気付き、ソールリーダーを見ながら、ミルコを一瞥して口を開いた。
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