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「死ぬ前に使うことがあるんですか?」
ミルコは、ふむ、なかなか鋭い、と思い誰が聞いてるわけでもないのに声を落として話した。
「ここだけの話。執行者は悪を地獄に連れていくわけですから、対象者を見つけたらすぐにソールリーダーを使うんですよ」
そこまで言って、ミルコは「あっ」と口を開けて言葉を繋いだ。
「そうそう。対象者が懺悔した場合はソールリーダーは白色になり、しなかったなら赤色ですから。一応言っておきますね。あと、ソールリーダーがトミーの肌に触れていたら、私とテレパシーができますから」
トミーはソールリーダーを握りしめて、試しに念じてみた。
ミルコは一瞬呆気にとられたが、少し不敵な笑みを浮かべ、切り返す。
「フフフ。失礼ですが、私はこの髭を気に入っているので、剃りませんよ」
トミーとミルコは声を殺して少し笑った。
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