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長い廊下は突然、木造の両開きの大きな扉で終わりを告げる。
それは角ばった指の骨をドアノブにかけて、扉を押す。
扉はきしむこともなく開き、それはゆっくりと中を覗き込むように入る。
中には一人の少女がいた。
十代後半に見える少女はシルクのような綺麗な銀髪に、静かな青い瞳をしていて、白いローブをまとって、部屋の真ん中に立っていた。
部屋は四方を石壁に囲まれていたが、廊下とは対照的に照明もないのに、ほんわりと明るい。
少女は静かだが、とても澄み切って、響く声でそれに話しかけた。
「気分はいかがですか?」
それは首をカタカタと縦に振り、大丈夫だと、意思表示した。
少女はニコリと笑った。
若いわりには、どこか大人びた笑顔だった。
「とにかく、骸骨のままでは話もできませんね」
少女はそう言うと、指をパチンと鳴らした。
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