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くだらねえ
名もない悪魔はずっとそう考えていた
誰かに縛られるなんてまっぴらゴメンだ
ただそう思っていた
今ある自由が続けば
それ以上に望むものはないと
だから本当に驚いた
気づけば自分からその世界へと歩みでている事に
今まさに自分から自由を投げ出そうとしている事に
階級なんてやっぱり欲しくない
今でも名前なんていらないと思ってる
それになにより……
今だってあの門を通るのは怖い
どうしようもなく怖い
名もない悪魔は立ち止まり
目の前の空間を眺める
でも
それ以上に……
俺って奴はどうもほっとけない性質らしい
名もない悪魔は自嘲しながら皮膜状の翼を拡げると
間もなくして黒い闇に吸い込まれた
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