第十三章 衛星

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図書室から脱出したワタル達を、ユイとスシオが待っていた。 ユイ 「みんな!」 スシオ 「ミサちゃん、かなり限界だね…アリィさんの血液で新たに開発したワクチンを飲ませよう!」 ケリィ 「脱出の準備がある!このまま、医務室に急ごう!」 慌てるケリイ達の空気を読み、まだ…危険な状態である事を察したユイはスシオが乗っている車椅子を全力で押す。 走りながら、ワタルはケリィに問いかける。 ワタル 「格闘家や、猫…アリィは?」 ケリィ 「アリィは医務室で治療中だ。ザンとミィは…」 ミサ 「ザンさん…ミィちゃん…」 ミサの涙が、床に落ちた。 医務室に入り、スシオはミサに新型ワクチンを飲ませる。 スシオ 「これは、体に痛みは走らない。普通の薬みたく、眠くなるけどね」 見る見る、ミサの体から黒ずみが消えていく。 ケリィは、横たわるアリィに声をかける。 ケリィ 「生きてる?」 アリィ 「ユイさんに輸血して貰ったのと、人間より回復力が早い肉体のおかげで…なんとか生きてるわ」 ケリィ 「良し…みんな、ヘリに乗って脱出しよう!まだ、ヤバい奴が生きてるかも知れない!」 みんなが、屋上へと移動を開始している中…ワタルは、再びミサを抱きかかえたまま振り向いた。 誰もいない廊下に…人影が浮かぶ。 リー 「ふふ…脱出、おめでとうございます。でも…これで良いのですかね?」 ジョー 「ゲームはまだ…終わってないだろ?」 ザン 「お前の好きにしな…後悔だけは、するな!」 ポチ 「わん!」 ミィ 「にゃ~」 立ち尽くしてるワタルを、ミサは次第に強くなる睡魔に負けるまいと見つめていた。 レナ 「何をボーっとしている!?行くぞ!」 レナに呼ばれたワタルは、ミサを抱きかかえたまま屋上へと上がっていった。
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