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夕暮れの空が見えた。
屋上には、ヘリが二機…一つはミサ達が乗ってきた物。もう一つはショウが乗ってきた物である。
ワタル
「動かせるのか?」
ケリィ
「ヘリのプログラムを変更した!ここから、一番近い街の学校の校庭に自動的に着陸する!」
「グロロロロロォオォ!」
遠くから、得体の知れないうなり声が聞こえ…みんな青ざめた。
ユイ
「まだ…何かいるんですか!?」
レナ
「化け物だ…さっさと行くぞ!」
次々とヘリに乗りこむ…しかし、ワタルだけが立ち尽くしている。
アリィ
「どうしたんですか?早く…」
ワタル
「ケリィ!ヘリを離陸させろ!」
ケリィ
「お前…まさか!?」
ワタル
「あの化け物は…俺自身だ。自分のケツは、自分で拭く」
ワタルの発言を聞いて、ケリィはブチ切れた。
ケリィ
「カッコつけてんじゃねぇぞ!もし…お前が死んだら!!誰が悲しむよ?」
ワタルは、ミサを見つめた。
ミサは、睡魔に負けまいと必死に目をこじ開ける。
ミサ
「ハラさん…さっき、タダシが二人の関係を惑星に例えましたよね?私は…あなたの月になりたい。今は三日月でも…いずれ、満月になってあなたを照らしてみせます…今は、納得できなくても後悔させません。だから…行かないで…」
ワタルは、涙ぐんでいるミサのおでこにキスをした。
ワタル
「ごめん…俺は、兄貴を…あんな姿のまま残していけない。誰がなんと言おうと…俺達は、兄弟だ」
レナが、口を開く。
レナ
「本当に…あんたなんかの、どこが良いのかしらね?これで、生きて帰ってこなければ…最低だよ…ぐっ…ゲホッ!」
血を吐きながら、レナはタバコとジッポライターをワタルに渡した。
レナ
「一服しとけ…」
スシオは、ワタルに赤いカプセルを渡す。
スシオ
「僕は、あなたの事をよく知らない…だけど、生きて帰ってきて欲しい!」
ユイ
「ミサちゃんを泣かせたら…私、あなたを許しませんから!」
アリィ
「私、ミサちゃんに負ける気は無いですから…また、会えますよね?」
ワタル
「俺は…生きて帰ってくる!」
ケリィ
「ケッ!バカじゃねぇの?もう、離陸するからな!!」
ババババババババババ…
ヘリの羽が回りだし…空へと上がり始めた。
ワタルはヘリに背を向け、銃の弾丸を確認する。
ドサッ!
何かが、背後に落ちる音が聞こえた…
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