最終章 兄弟

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ワタルのナイフを持つ手が、痺れだした。 ガシィ! しかし、ケリィがその手を掴んで引き上げる。 ケリィ 「流石に、やったか?」 タダシ 「グロロロロロロロォ!」 ワタル 「まだ、生きてんのかよ…呆れた生命力だぜ」 タダシの体は、左肩と左腕だけが吹き飛んでいた。 ワタル 「ケリィ、お前のドグマ…かなり進行したな。スシオから受け取った赤いカプセルが、こんな時に役に立つとはな…」 ケリィ 「まだ、飲まないぜ?ワタル、パネルを再起動させよう」 ケリィは、自分の作戦をワタルに伝えた。 ワタル 「なるほど…パネルを再起動させ、強→病にすれば自然と弱→異になるな…良し、それでいこう!」 ケリィ 「ただ…この作戦だと、またお前が囮にならなきゃいけない…PCを操作できないからな」 ワタル 「何、柄にもなく心配してんだ?ほれ、崩した所をふっ飛ばすにはコイツがいるだろ?」 ワタルは、ケリィに最後のリモコン爆弾とスイッチを渡した。 ケリィ 「死ぬなよ」 ワタル 「あぁ…そういえば、お前…生き残っても行くとこないとか言ってたな?」 ケリィ 「それが、どうした?」 ワタル 「家に来いよ。一緒に暮らそうぜ」 ワタルの優しい言葉が、少しだけケリィの目頭を熱くした。 ケリィ 「考えといてやるよ!」 二人は再び、別行動を開始する事にした。 ワタルとケリィに気がついたタダシが、動き始める! ワタル 「おっと!ケリィは追わせねぇ!指一本、触れさせねぇ!なんたって、俺の弟になる予定なんだからな!」 ワタルはサブマシンガンを乱射して、タダシの注意をひきつけた。
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