最終章 兄弟

6/6
前へ
/115ページ
次へ
月明かりが、ワタルとタダシを照らす。 ワタルのまぶたは、ゆっくりと閉じていく。 最後に思い浮かぶのは…月になって照らすと言ったミサの姿だった。 ワタル 「ごめん…俺は…兄貴と一緒に…逝くよ…」 ピッ… 一筋の光が差し込み、ワタルごとタダシを貫いた。 タダシ 「グロォオォォオ!?」 タダシの体は、胴体と下半身が分離…切断された。 タダシは、持てる最後の力を振り絞り…ワタルを食らおうとした。 ケリィ 「ワタル!!」 ケリィが辿り着いた時には、ワタルの体はタダシの口に入っていた。 ケリィ 「ヤメロォオォォォ!」 ケリィのマシンガンが、タダシを撃つ!しかし、タダシは止まらない…ワタルの死体を食らう。 死体を食らったタダシの体は、一部分だけが再生した。 左腕でも、下半身でもない…ドグマウイルスを感染させる左肩を再生させる。そして、その棘を自らに突き刺し…ドグマに感染した。 パネルは、強→病状態である。 感染したタダシは、猛スピードでケリィに襲いかかる! しかし、ケリィも強状態!タダシの攻撃をかわして反撃の弾丸を撃ち込む! ケリィの怒りは、頂点に達していた。 タダシではなく、ワタルに対して… ケリィ 「嘘つき野郎が!生きて帰るんじゃなかったのかよ?俺と…一緒に暮らしてくれるんじゃなかったのかよ?家族に…なるんじゃなかったのかよ?こんなの…みんな、納得するかよ!!」 ケリィは、屋上へと走る。 タダシは、這いつくばりながらそれを追う。 先に屋上に辿り着いたのは、ケリィ。そして、タダシが到着した時には… ババババババババババババババババ!! 残っていたヘリコプターが、激しく羽を回転させていた! コクピットに乗っているケリィが、雄叫びを上げた。 ケリィ 「ウオオォオォォォオォオォオォオォォオォォォオオオォオォォォオォオォオォオォォオォォォオオオォオォォォオォオォオォオォォオォォォオオオォオォォォオォオォオォオォォオォォォオ!」 ズシャアァァァァァ! 血柱が上がる。 ヘリの羽が、タダシの首を跳ね飛ばした。 ケリィはヘリから飛び降り、床に体を打ちつけた。タダシの残った胴体と無人のヘリが地面に落下する… ズゴォオォオォ…ズゴゴゴゴゴ… 爆炎を上げ、全てを焼き尽くした。 ケリィは赤いカプセルを飲み…痛みに耐えながら階段を下りる。 地下室まで下り、マシンガンでPCを全て破壊して脱出した。 校舎を…炎が包み込む…
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4911人が本棚に入れています
本棚に追加