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夜勤明けの若い医者は、仮眠室から出てコーヒーを買おうと自動販売機の前にたった。
しかし、ウンともスンとも言わない。
コンセントが抜けているのか?調べてみたが、きちんとついている。
不思議そうに首を傾げる彼の名は…
【鹿扮 将】
(カフン ショウ)
ショウ
「おかしいな…まさか、停電!?患者の生命維持装置はちゃんと機能しているのか?」
慌てて病室に入るが、入院患者の生命維持装置はしっかり動いている。
ショウ
「自動販売機の故障だな。業者に電話しないと…まったく、面倒くさい」
メガネのズレと、白衣の襟をただす。ショウは若い医者の中ではエリート中のエリートである。頭脳明晰、沈着冷静。身長も高く顔も良い為、容姿端麗も付け加えておこう。
他の医者と交代する為、仮眠室があるC病棟から出ようとするが…ドアが開かない!?
ショウ
「オートロックの故障か?」
携帯電話を取り出したショウは、ナースステーションに連絡してみる。しかし…誰も出ない。
ショウ
「これは、絶対におかしいぞ…俺が仮眠している間に何があったんだ!?」
誰かに聞きたいが、仮眠室があるC病棟は植物人間や不治の病で寝たきりの患者ばかり。聞く相手がいないのだ。
ショウ
「エレベーターも動かないし…所々、防火用シャッターが降りている。しかし、煙が入ってこない事から火事ではないだろう…まさか、閉じこめられたのか!?」
自分の置かれた状況を察した瞬間…スピーカーから声が聞こえてきた。
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