第十三章 衛星

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ワタルとミサ リーとレナ 何故、このような組み合わせなのか? ワタル 「やはり、感染者と感染していない者でペアを…」 ミサ 「嫌です。私は、ハラさんと一緒にいます」 ミサの言葉に、ワタルは唖然とした。今は誰かが動かした為、強→病になっているから戦闘に関しては申し分ない。(ウイルス進行は早いが…)しかし、パネルが動いたら… ワタル 「ミサちゃんらしくないな…わかるだろ?病同士のペアは危険だ!」 レナは煙草に火を点け、煙を吐き出す。 レナ 「私なら、こんな鈍い男はお断りだけどね?」 何を言っているのか、意味がわからないワタルにリーが微笑んだ。 リー 「理屈じゃないんですよ。今、こんな時だからこそ…ミサちゃんはワタルさんと一緒にいたいんだと思います。いざとなったら…アレもありますし、大丈夫ですよ」 ミサ 「そういう事です。リーさんには、トランシーバーを渡しておきます。何かあったら、連絡しあいましょう」 こうして、二手に分かれて下水道を進む事になった。 下水道を進みながら、ワタルは考える。 ワタル (これって、やっぱり…ミサちゃんが俺を?そう言えば、冗談だと思ってたけど十年経ったらどーとかって言ってたな。でも、確か…今年で11歳とかだろ?) 考え事をしているワタルに、いつもの冷静な口調でミサは話しかける。 ミサ 「私は、あくまで生存率を考えた上でハラさんとペアになりたいと言ったんです。レナさんは信用ならないし、リーさんはよく知らない…なら、以心伝心し易いワタルさんを選ぶのは当然ですよね?」 ワタル 「…だよな!危なく、勘違いする所だった」 ミサ 「勘違い?」 ワタル 「いや、ミサちゃんは俺に惚れてるのかなぁ~なんてな!いや、気を悪くしないでくれよ?」 ミサ 「私は…【ザー】さんの事が【ザー】きです」 ザーザーと音をたてる下水道に、ミサの小さな声はかき消された。 ワタル 「なんか言った?」 ミサ 「なんにも言ってません!!」 いきなり怒り出したミサに、ワタルはたじろぐんだ。 先に進んだ結果…ワタル達のルートは、行き止まりだった。 ミサはトランシーバーでリーに報告するが…繋がらない。 ミサ 「おかしい…急いで戻りましょう!」 振り向いたワタルとミサの前には、数体の黒タイツが迫っていた。 黒タイツ 「グワゼロォ」 ワタル 「たらふく食わせてやるよ…」 ミサ 「鉛弾ですけど…ね!」 二人は、黒タイツに銃を向けた。
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