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リー
「どうやら、ビンゴみたいですね」
リーとレナの前には、分厚い鉄の扉があった。
ギギギギギ…
嫌な音をたてながら、扉が開く。広い部屋には、いくつもの石柱が屋根を支える為にそびえ立っている。
薄暗い部屋の中心に、機械的な光が見えた。
近づいてみると…
ゲームの王様が座るような、豪華な玉座に腰を下ろしているハラ タダシがいた。その背後には、夥しい数のモニターとPCが並んでいる。
タダシ
「ようこそ…最終ステージへ!」
満面の笑みで二人を迎えるタダシに、リーはライフルを向けた。
リー
「僕は…あなたを心から尊敬していました。中国人の血が混じっているというだけで…どこにいても、風当たりが強かった僕に…あなたは、そんなの関係なく平等に接してくれた」
タダシ
「そうだな…全てに平等だよ。自分以外の人間は…全て駒にすぎない。私を楽しませる為のな…」
レナ
「神にでもなったつもりか?お前のおかげで…私の手は汚れた!もう、子供に触れる資格はない」
タダシ
「そう言えば、君は保母さんだったね。子供の前でだけ、優しくなれる…幼い頃のトラウマやら何やらでそうなってるんだったかな?ははは…笑えるなぁ」
嘲笑うタダシに、今にも斬りかかろうとするレナをリーは腕を出して制止する。
リー
「最後に…一つだけ答えて欲しい。実の弟まで巻き込んで…あなたは何をしたかったんだ?」
タダシ
「違うな…私に、弟なんぞいない。ワタルは、私自身であり…私はワタルだ。よく見ろ…兄弟にしては、顔が似すぎてるだろ?四歳の年齢差が生み出すだけの、老化的な違いしか無い…さあ、もっと良く見ろ」
玉座から立ち上がったタダシが、ゆっくりてリーとレナに近づいてくる!
ズドン!
リーのライフルが、火を噴いた!しかし、弾丸はタダシをすり抜け玉座を破壊する。
リー
「このよに及んで、立体映像か…レナさん、トランシーバーでワタルさん達に連絡を!」
レナはリーから渡されたトランシーバーを使ってワタル達に連絡しようとするが…まったく繋がらない。
タダシ
「この部屋からは、特殊な電波が発生している。通信機器は、いっさい機能しない」
ブゥ…ン
タダシの斜め前に、タダシが現れた。
そして…部屋中をタダシの立体映像が埋め尽くす。
タダシ
「さて、本物は…どれでしょう?」
嘲笑う…タダシは二人を見て、ただ…嘲笑う。
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