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タダシ
「ふん…そいつのどこが良いのか…まぁ、一応は私だから、あまり貶すつもりもないがね」
ミサは、苦笑した。
ミサ
「あなたとワタルさんは、全く違うわ…だって、こんなにも一緒にいて心が落ち着くのは…ワタルさんだけです」
タダシ
「ははは…そうかい、それは良かったな」
ミサ
「私みたいな、子供が人を愛するのは…可笑しいですか?」
タダシ
「ははは…笑えるな」
引きつった笑い顔をしているタダシを見ながら、レナは口を開く。
レナ
「笑ってる場合じゃないわ…あんた、負けてるわよ?さっき、リーがあんたを尊敬しているって言ってたけど…それはあくまで外面。ミサちゃんは、ワタルの内面に惹かれてる。あんたには、出来ない芸当よ」
タダシ
「…愛だの、友情なんぞ、私の世界では無意味だ!この状況を、どうにかできるか!?」
ミサは、自分の顔をワタルの顔に近づけた。
ミサ
「愛の力で…どうにかなるか、確かめてみますか?」
ミサは、ワタルに口づけをした。
それは、子供のキスでは無い…
ワタルは力一杯、ミサを抱きしめた。
タダシ
「は…二人まとめて死ね」
ズドォン!!
銃声…悲鳴…血液…
タダシ
「げぶ…なんで…弱なのに…銃を?」
撃ったのは、ワタルだった。その手には拳銃が握られている。弾丸は、タダシの頭を撃ち抜いていた。
ワタル
「さぁ…愛の力じゃねぇの?」
何故、ワタルは銃を撃てたのか?それは、ミサがスシオから受け取っていた【赤いカプセル】(ワクチン)をワタルに口移しで飲ませたからである。
ワタルは、激しい痛みに耐えきれずミサを強く抱きしめたのであった。
レナ
「今度こそ…やったんだな?」
ワタル
「多分な…ミサちゃん、立てるか?」
ミサ
「無理です。お姫様抱っこして下さい」
ワタルは、仕方なくミサをお姫様抱っこした。レナは…見てられねぇと言わんばかりに、煙草に火を点け一服する。
ギギギギギギギギギ…
その時、ドアが開いた!
ケリィ
「助けに来たぜ!って…あれ?もしかして、遅かった!?」
ケリィを見て、三人は少し笑った。
ワタル
「遅くないよ。ナイスタイミングだ…傷薬、持ってるか?」
ケリィは、アリィから受け取った傷薬でレナを治療した。
ワタルはミサを抱きかかえ、ケリィはレナに肩を貸す。ケリィはPCを操作し、サテライト・ハデス、パネル、黒タイツ、獣を完全に停止させた。
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