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辺りがすっかり暗くなった頃、町外れの路地を二人の男が歩いている。
「それにしてもよぉ…最近物騒だよなぁ…」
「たしかに…例の辻斬りの犯人まだ捕まってないんだろう?まったく…警備兵のヤツらもシッカリ働いてほしいもんだ」
「昨日で十二人目だろ…って考えたら恐ろしくなってきた。早く帰ろうぜ」
そんな話をしながら早足で歩いていると、前方から一人の男が歩いてくるのが見えた。
「おぅ!そこのアンタ。一人で歩いてると辻斬りに狙われるぞ」
「………」
愛想よく声をかけたつもりだが返事がない。
「どうした?具合でも悪いのか?」
そう言いながら一人が男の肩に手をかける。
手をかけられた男は今になって男たちに気付いたようで、ゆっくり二人の方に目線だけ動かし…
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