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「あの・・・手を繋いだらダメ?・・・かなぁ」
また、声が裏返る。
「少しなら・・・」
嬉しかった・・・。
たとえ、恋愛ごっこでも・・・。
アタシの差し出した手に、温もりが伝わってくる・・・。
しょうたは、少し強めに手を握っている。
青信号に変わるのを待っている間、周りの人達がアタシ達を見ている。
(迷惑かなぁ・・・)
アタシは、しょうたの方に顔を向けた。
すると、前を向いたまま握る手を強くした。
(アリガトウ・・・)
アタシは、心の中でそっと告げた・・・。
人ゴミの中、傍から見れば、若い男が二人手を繋いで歩いている。
普通では、考えられない光景なのかも知れない。
けれど、それがアタシの夢だった。
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