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「アーシュレイ、君は遥か昔からこの世界に存在するという、二つの指輪の話を聞いたことがあるかね?」
眼光の鋭い大柄の老人は、目の前に立つ美しい銀髪の青年に問い掛けた。
「はい、子供の頃に聞かされたことがあります。なんでも世界を変える力を持つとか…。」
アーシュレイと呼ばれた青年は少しこの質問に戸惑い、一瞬怪訝そうな顔をする。
「アーシュレイ、君に仕事を頼みたいのだ。」
青年の怪訝そうな表情にも老人は、落ち着き威厳を持って話した。
「はい、ラスター中将。それはもちろん、なんなりと。」
ラスター中将と呼ばれるこの屈強な老人は、リディア軍の軍服に身を包み、胸には数々の勲章をつけている。
かなりの武勲を立ててきたのだろう。
ラスター中将は、椅子に深くかけ直し、少し和んだ様子で語り始めた。
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