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話はアーシュレイにとって、更に信じられない様な不思議な話へと進んでいく。
「それで、最近北の森の奥に指輪があると精霊達が騒いでいるというのだ。」
ラスター中将は、「ふぅ…」と一息つき、深くかけていた椅子から身を乗り出すと、テーブルに両肘をつき手を顔の前で組み合わせ、ちょうど懺悔のような祈るような態勢で話を続けた。
「なあアーシュレイ、この国は、いやこの世界は戦争によりひどく傷ついている。
この戦争が始まってからすでに10年以上たっているが、未だに終結のメドすらたたない。」
アーシュレイ達の暮らすリディアと、隣国アルフの間の戦争は、激しさと悲惨さを増していく一方だった。
アーシュレイ達若い世代は、正直戦争の始まった理由すら知らない。みんな早く戦争が終わる事を願っていた。
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