【仕事。約束。】

4/15
前へ
/39ページ
次へ
話はアーシュレイにとって、更に信じられない様な不思議な話へと進んでいく。 「それで、最近北の森の奥に指輪があると精霊達が騒いでいるというのだ。」 ラスター中将は、「ふぅ…」と一息つき、深くかけていた椅子から身を乗り出すと、テーブルに両肘をつき手を顔の前で組み合わせ、ちょうど懺悔のような祈るような態勢で話を続けた。 「なあアーシュレイ、この国は、いやこの世界は戦争によりひどく傷ついている。 この戦争が始まってからすでに10年以上たっているが、未だに終結のメドすらたたない。」 アーシュレイ達の暮らすリディアと、隣国アルフの間の戦争は、激しさと悲惨さを増していく一方だった。 アーシュレイ達若い世代は、正直戦争の始まった理由すら知らない。みんな早く戦争が終わる事を願っていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加