花香季節客人

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しかし、いつまでもこの状態ではいけない。 ―男― 即ち保名は自分の横でとんでもない言葉をささやいた女を視る。 「し……式神ではないか…全く晴明のヤツめ……。それと式神よ。」 はぁい。 式神である妙齢の女はまた軽く返事をする。 「俺は……なんだ…その……」 言葉が詰まる。 「?」 女が首をかしげる。 「俺は……童貞じゃないぞ…。」 訴えるような目で女を見た。 断じて違うとそう訴えた。 訴えたのだが……。
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