あなどれない生徒

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「うちの購買の物はなかなか美味しいんだよ!毎月1回リクエストDAYってあってね、1番リクエストが多かった物を半額で食べれちゃうの」   「ふーん、今までにどんなのがあったの?」   「そうだな……あっ、先月はフィッシュバーガーだったよ。今月は来週がリクエストDAYだったかな?」   「そうなんだ」   「ねぇ、木下さんってお喋り嫌い?」   「そうだね。…割と。なにを話していいか分かんないし」   「そっかー。じゃあお喋りな私にはピッタリかもね」   「そうだね」   「ここだよ!うわー、もう混んでるし。私たちも早く並ぼう」     未来と桃花が購買に着くと、そこはチョットした戦場のように生徒たちで溢れていた。みんなが片手にパンやら飲み物、または両手になにかしらを持っている。   2人はとりあえず棚の余り物の中で自分好みの物を手に取った。桃花はメロンパン、未来はサンドイッチとイチゴ牛乳を。     どこが最後尾かも分からない列に並びやっとの思いで会計を済ませた頃には、未来は軽く息が上がってしまっていた。     初日からなんなのよ…。まさかこんなに大変だったなんて。明日からは面倒でも早起きしてお弁当を作った方がよっぽどマシだね。     《痛ってーな。誰だよ、ぶつかっても謝りもしねぇのは》   《あーあ、今日は焼きそばパンの気分だったのに》   《おい、さっさと金払えよ!後ろ詰まってんだろ》   《あー、マジうぜぇ》     みんな口が悪いなー。あんたにぶつかっても謝らないのはアイツだよ。ったく、どこに目付けてんのよ。それに列に並んでる間に上手く小銭を用意しとけっての。     「どうしたの?眉間にシワが寄ってるぞ」   桃花は購買にいる生徒を睨みつけている未来の真ん前に立って眉間を軽く小突いた。   「…なんでもない。教室に戻ろう」   「そお?」     いけない、悪い癖だ。知らないうちに周りの声を聞いて勝手にコメントするの。早く直さなくちゃ。
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