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その後も未来は男組みに負けない動きを見せ、周りの生徒を圧倒した。
「未来ー!凄いね!バスケ経験者なら言ってよー」
授業が終わり教室へ戻る途中、桃花は未来の隣でバスケの話ばかりしている。
「いつからやってたの?中学?それともミニバス?」
「いや……」
「ポジションは?」
「…だから……」
「部活やってなかったなら、これからもやらないの?ならバスケ部に入らない?」
「は ・ い ・ ら ・ な ・ い!!」
「えっ…」
「別に経験者じゃないから。バスケなんて体育でしかしたことない。それに部活で自分の時間を潰したくないの。だから部活はやらない。分かった?」
「…う、うん。…ごめん……」
桃花はすまなそうに黙り込んだ。
まずった。つい口調が強くなっちゃった…。そんなつもりなかったんだけど……
「私もごめんね。部活はやらないけど、体育では思い切り一緒に楽しもう!ね?」
「……うん」
《つか、桃花可愛そー。あんな言い方しなくてもよくね?》
《転校そうそう感じワル…》
《運動神経いい人はいいねー》
周りの声が聞こえる。みんな思ってることを顔には出さない。「凄いね」と笑いながらも腹の内では悪口ばかり。
「気にするな」と言っても…私には聞こえる。こんな思いはいつものこと。
1人が楽
「私、先に行って着替えてる」
未来は桃花たちを置き1人足早に更衣室へと向かった。
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