第弐章━━出発━━

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まるで加夜の暗殺を取り消せとでも言ってるようだった。 高杉はそんな稔麿を見てあきれた顔をして答えた。 「その代わりこいつにも任務をこなしてもらう。それが条件だ。・・・名前は何て言う?」 「神涛加夜(カンナミカヤ)…」 加夜は自分の苗字をいうのが嫌いだった。 「神涛!?…あの神涛か!?」 「神涛という名が他にありますか??」 またか、とため息をつきながら答えた加夜に対し、稔麿高杉は顔を輝かせていた。 「そうだなぁ、今は情報がたくさんほしい。…しかし忍を向こうに送り出すと逆にバレてしまう。だから、加夜、お前新撰組に入隊してこい!!」 加夜は高杉を見た。 「は!?正気か??」 「あぁ。神涛と言えば良い。…ところで神涛の中でお前の位はどこだ?」 加夜は面倒くさそうに答えた。 「…皇藍」 高杉は驚いた顔をしていた。 稔麿は何かもわからないらしい… 「皇藍のお前がどうして此処に?」 加夜は当たり前のように答えた。 「ただの家出だ。」 稔麿は腹をかかえて笑っていた。 「君らしいやぁ♪」 加夜はそっぽを向いた。 高杉は顎に手を添えてうなっていた。
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