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「加夜は壬生浪士組に神涛加夜として入隊してこい。」
「役職は?」
加夜は賄いなどまったくする気がない。
「無論監察だ。」
「賄いをしろなどと言われてもしないがな。」
加夜は鼻で笑った。
稔麿は頷いていた。
……ゴッ
「いてぇ…」
加夜が稔麿をぐーで殴ったのだ。
そんじょそこらの女の力とはわけが違う。
「…で、監察になれば私は此方の情報も売らなくてはならなくなるが、それはどうする?」
高杉はニヤリと不気味に笑った。
「山崎丞とやらに任せれば良い。お前は密偵として行ってこい。…それかお前、隊士になるか??」
稔麿は口笛を吹く。
「そいつぁ駄目だね。勘の鋭い奴がわんさかいるからさ。…例えば永倉新八。沖田総司。山崎丞。斉藤一。…まだいるだろうがな。あと一番曲者なのが筆頭局長芹沢鴨。」
「ん…どうする。」
珍しく加夜は悩んでいた。
何時もなら瞬時に決めていたからだ。
「監察方、兼賄いで行け!!それが一番バレずにすむ。…後はだな、こちらの情報は少しずつ渡して行くんだ。…いいな?後は7日に一回だけ帰ってこい。」
加夜は最初うんざりしていたが、ここからは仕事だと思い真剣な顔つきで頷いた。
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