第弐章━━出発━━

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「加夜は壬生浪士組に神涛加夜として入隊してこい。」 「役職は?」 加夜は賄いなどまったくする気がない。 「無論監察だ。」 「賄いをしろなどと言われてもしないがな。」 加夜は鼻で笑った。 稔麿は頷いていた。 ……ゴッ 「いてぇ…」 加夜が稔麿をぐーで殴ったのだ。 そんじょそこらの女の力とはわけが違う。 「…で、監察になれば私は此方の情報も売らなくてはならなくなるが、それはどうする?」 高杉はニヤリと不気味に笑った。 「山崎丞とやらに任せれば良い。お前は密偵として行ってこい。…それかお前、隊士になるか??」 稔麿は口笛を吹く。 「そいつぁ駄目だね。勘の鋭い奴がわんさかいるからさ。…例えば永倉新八。沖田総司。山崎丞。斉藤一。…まだいるだろうがな。あと一番曲者なのが筆頭局長芹沢鴨。」 「ん…どうする。」 珍しく加夜は悩んでいた。 何時もなら瞬時に決めていたからだ。 「監察方、兼賄いで行け!!それが一番バレずにすむ。…後はだな、こちらの情報は少しずつ渡して行くんだ。…いいな?後は7日に一回だけ帰ってこい。」 加夜は最初うんざりしていたが、ここからは仕事だと思い真剣な顔つきで頷いた。
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