第壱章━━出逢い━━

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「当たり前じゃないか!!本名以外に君は偽名を使っているのか?」 「あぁ。数えられないほどな。」 ユナの言葉に至極驚いた顔をしていた。 「今は?」 「ユナ…」 「ユナ…。本名は!?!?」 しつこく聞いてくる稔麿にユナはため息を着きながら言った。 「本名は…神涛加夜(カンナミカヤ)」 稔麿は急に加夜に抱きついた。 加夜は顔を赤くして稔麿を引き剥がそうとした。 「かっわいい~♪」 「は~な~れ~ろ~」 もうキャラ丸つぶれである。 「それとさ、その綺麗な髪…なんで隠してるの?勿体無い!!」 そう言って稔麿は私の黒い髪を掴んだ。 「ちょっ……やめっ」 バサッ 加夜の黒い髪を掴んだ稔麿は思いっきり引っ張った。 普通なら痛がるのだが加夜は違った。 金色の髪が黒い髪から出てきた。 「ほら…とっても綺麗な髪の色……」 「え…?」 今までこの髪のせいで忌み嫌われていた。 それをこの男は"綺麗"と言ってのけたのだ。 「か…返せっ!!」 加夜は稔麿の手から黒い鬘を取り返すと、金色の髪を綺麗に纏め上げ、黒い鬘を被った。 「お前には着いていってやる。…その代わり…」 「あぁ。金色の髪は秘密だ!!」 稔麿は加夜に再び手を差し出した。 加夜は少し微笑みながら握り返した。 「いざ、世界へ」
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