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「当たり前じゃないか!!本名以外に君は偽名を使っているのか?」
「あぁ。数えられないほどな。」
ユナの言葉に至極驚いた顔をしていた。
「今は?」
「ユナ…」
「ユナ…。本名は!?!?」
しつこく聞いてくる稔麿にユナはため息を着きながら言った。
「本名は…神涛加夜(カンナミカヤ)」
稔麿は急に加夜に抱きついた。
加夜は顔を赤くして稔麿を引き剥がそうとした。
「かっわいい~♪」
「は~な~れ~ろ~」
もうキャラ丸つぶれである。
「それとさ、その綺麗な髪…なんで隠してるの?勿体無い!!」
そう言って稔麿は私の黒い髪を掴んだ。
「ちょっ……やめっ」
バサッ
加夜の黒い髪を掴んだ稔麿は思いっきり引っ張った。
普通なら痛がるのだが加夜は違った。
金色の髪が黒い髪から出てきた。
「ほら…とっても綺麗な髪の色……」
「え…?」
今までこの髪のせいで忌み嫌われていた。
それをこの男は"綺麗"と言ってのけたのだ。
「か…返せっ!!」
加夜は稔麿の手から黒い鬘を取り返すと、金色の髪を綺麗に纏め上げ、黒い鬘を被った。
「お前には着いていってやる。…その代わり…」
「あぁ。金色の髪は秘密だ!!」
稔麿は加夜に再び手を差し出した。
加夜は少し微笑みながら握り返した。
「いざ、世界へ」
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