「ちい」との出会い

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田舎から上京してきて3ヵ月ほど経ったようだ なんとなく、この東京ってのが自分の中で明確になってきていた 今日は大学も夏休みなので久しぶりに買い物にでも行こうと、電車に乗っている 平日の微妙な時間でもやっぱり人は…でも空いているほうか 今日は原宿か渋谷あたりで服を買い 秋葉原でパソコンの周辺機器をあさるのが予定だ 早速、渋谷で降りた もしかしたら今日が渋谷、初だったかも… まぁ駅のあたりをふらついてれば何となく店が見つかると思い、少し歩く事にした やはり歩いていると色々な服屋の看板が目に入る、その中でいいなと思った店、何軒かに入った (あ、あそこの店もいいなぁ…) そのお店は道路を挟んで向かえにあった そのため俺は横断歩道を探した 面倒くさい事にまた200mくらい戻らないといけない事が判明… 「はぁ…」 (まぁ時間もあることだし、しょうがない歩くか…) なーんて思いながらもしぶしぶ歩いた、本当にたかが200mである 横断歩道は田舎と違い何人もの人が1度にいっきにわたる でも時間も時間なので数人しかいなく、すぐに青になった 俺の田舎では渡る時に何だかよくわからない音楽が流れたものだ…しかしここではピ、なんか少しの寂しさを感じながら歩いてるいると、一人の女の子が目に入った …泣いてる? 近づいてみると小学生くらいの女の子がやっぱり泣いていた 「大丈夫?どうしたの?お母さんかお父さんは?」 話しかけると俺の服を片手で掴みまた泣いたきっと迷子だ、親とはぐれたのだ 「警察いこうか、おまわりさんがお母さんとお父さん、探してくれるよ?」 そうすると少女はもっと大きな声で泣き大きく首を横に振った う~ん、困った…警察が怖いのかわからないけど、無理矢理連れていくのもあれなんで、連れて行かないことにした とは言ったものの… どうすれば…ここでこの子をおいて行くのは酷いにも程がある 「…一緒にくる?」 そうすると少女の顔が少し晴れ、首を立てに振った とにかく家に帰って話をして、それから考えようという結果が自分の中でできた 結局、服屋にも秋葉原にも行かず帰る事にした 彼女の手を引っ張り駅に向かう途中、少女が俺の腕を引っ張り、某有名ハンバーガーショップを指さした 「いいよ、んじゃ行こっか」 俺は笑顔で言った きっとお腹が空いたのであろう きっとずっと泣いていたんだから…
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