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中に入ると、彼女は無言で欲しいものを指さし、俺はそれを注文した
二階の窓側の席に向かいあって座った
彼女はもう泣き止み、目の前にあるハンバーガーをかぶりついていた
「名前、何て言うの?」
『西織ちい…』
彼女が初めて口を開いた瞬間だった
『ねぇお兄ちゃんの名前は?』
「黒木悠斗だよ、ちいは何歳なの?」
俺は少しずつ、ちいの事を聞き出そうとした
『ちいは10歳だよぁ』
笑いかけるちいは物凄く可愛い
『あの……』
「ん?何?」
『お兄ちゃんじゃなくて、ゆうって呼んで良い?』
少し恥ずかしそうにちいが言った
俺は良いよと笑顔でいい、ちいの頭を撫でた
ちいは笑っていた
その後、俺たちはハンバーガーショップを出て家に向かった
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