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  「マサ。ほうき?雑巾?」    右手にほうき、左手に雑巾を持って、栞里が聞いてきた。   『……ちりとり。』   オレはボソッと小声で言って、立ち上がった。 栞里は何も言わない。   …ダルイ。   掃除をしてる班の奴らに背を向けて、オレは教室を出た。 長めのズボン、床に引きずって。 窓ガラスに映る、茶髪。 ピアス。   別に目立ちたくてやってるワケじゃないし。 特に理由もないけど。 中二になるときに、一気にこうなった。 それまでは、みんなと同じ真面目な田舎の中学生やってた…多分。   オレはポケットに手突っ込んで、屋上へ出る階段に腰掛けた。   ちょっと薄暗くて、落ち着く。 掃除時間はココで待機に限る。       .
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