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…待てよ?
由衣が振ったんだから、失恋じゃないよな?
じゃあ何…?
「由衣は、前の由衣に戻ったよ。髪もまた黒くして、制服も普通にして。」
あ…。
そっちね。
ヒドイ方向じゃないなら。
良かった。
由衣には、そっちのほうが合ってると思うし。
それなら別に良いじゃん。
「ねぇ、なんで別れたの?」
芽以が栞里みたいに肘をついて、オレに尋ねる。
そういえば。
栞里にも聞かれてたんだった。
なんでって…。
言いたくねぇよ…。
けど…言わないと。
『オレが…好きになれなかった。』
…うん。
そうだ。
オレが悪いんだ。
由衣だって、オレが全部悪いように言ってた。
“ように”じゃなくて、そうだったのかもしれない。
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