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―――スポーツカーに興味がある人なら、一度は乗ってみたい車というのは必ずあるハズだ。
それはまさしく憧れというものだろう。
この小説の主人公、坂崎龍太(タツ)もスポーツカーに憧れてるうちのひとりだ。
彼は高校卒業とともに憧れの車、三菱のランサーエボリューションを購入した。
中古にして金額は250万円。
そんな大金どこからって?もちろんローンだ。しかもまだ未成年、父親が肩代わりしてくれた。
誰もが憧れる車をいち早く手に入れた主人公。
恵まれている奴だと誰もが思うだろう。
しかし、彼はこの車を購入したことを後々後悔することになる………。
この、呪われたエボセブンを……。
――――――――――――――
ここ青森県の日本海側、弘前市には日本百名山のひとつ、岩木山という山がある。
タツの自宅は、その山にかなり近い所に位置し、深夜になると車の音が激しく鳴り響くのだ。
そんな音を幼い頃から聞かされたタツ。
次第に車というものに興味を抱き始め、エボセブンを購入した半年後のある日の深夜、岩木山の一角へと向かうのだった……。
タツ(今日こそ突き止めてやる!走り屋という存在を!!)
『グゥゥウゥン』
ある程度登ったその時、後ろからものスゴい勢いで1台の車がやって来た。
タツ(な、なんだ?
知らないうちに後ろに車がいたなんて)
タツは眼をこらしてバックミラーを確認する。
後ろの車が外灯に照らされた瞬間、タツは何の車か理解した。
タツ(雑誌で見たぞ。確かあれは、シビックか)
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